
1992年 幼児絵本シリーズ 福音館書店
水をつけ、塩をつけた手のひらに、炊きたてのごはんをのせる。「あつ、あつ。ふっ、ふっ」。何度もおにぎりを握ってきた手が、流れるように動いていく。「ぎゅっ」と握って、梅ぼしを「うめて」、また「ぎゅっ。ぎゅっ」。「くるっ、くるっ、くるっ………」とまわしたら、あっという間に「ほら、できた」。大きなお皿に、まずは1つ。ページをめくると、大きいのが6つと小さいのが3つ、お皿にぎっしり並んでいる。「たくさん できた」。ごはんが全部隠れるくらいたっぷりと海苔をまいて、できあがり。ごはんの湯気にのって、海苔の香りが漂ってきそう。
大好きな人が握ったおにぎりは、特別なごちそう。手の動きだけが描かれるこの絵本を読みながら、それぞれが手の先にいる大好きな誰かの顔を思い浮かべることだろう。最後のページで、小さなお弁当包みを「はい、どうぞ」と手渡されたら、おにぎりを持ってどこかへ出かける、あのわくわくする気持ちがきっとわいてくる。(門倉紫麻) - Amazon.co.jp